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不倫のライセンス あとがき そして、物語は生まれた

あとがき そして、物語は生まれた

 ここは地下鉄の線路の上。それを理解するまでに二秒ほどかかっただろうか。どうやら、私はプラットホームから転落したらしいのだ。すぐそばで電車の走行音が聞こえる。これからどうするべきか。考える余裕もないまま、私の意識はそこで消失した。
 目覚めると、私はベッドの上に寝かされていた。左腕には点滴の管。頭には何かがかぶされている。おそらく包帯なのだろう。痛みはまったくない。それどころか、身体全体の感覚が鈍くなっている。まるで自分の身体でないような、まるでまだ夢の中にいるような、ちょっと不思議で、ちょっと不安な気分だった。
「片瀬さん、聞こえますか?」
 声をかけてきたのは、白衣姿の医者らしき男性。ベッドの周りには、女性看護師、そして、母親の姿もあった。
「は、はい……」
 肉体同様、その声も、まるで自分のものとは思えないような響きだった。
「ご自分の名前、言えますか?」
 医者の質問は続く。至って真剣な声音である。
 もちろん、私は難なく答えることができた。当たり前すぎるそのやり取りに、思わず苦笑を漏らしてしまう。
「ご住所はどうですか?」
 その問いにも、当然答えることができた。しかし、それは途中までのことだった。
「あれ? ええと……。何だっけ?」
 どういうわけか、何条何丁目、そこに当てはまる数字の部分だけが出てこない。
「それじゃあ、電話番号は覚えていますか?」
 覚えていなかった。生年月日も同様である。いくら考えても思い出すことができない。年齢、身長、体重、とにかく数字が頭に浮かばないのだ。
「私、事故にあったんですか?」
 こちらから尋ねてみた。私が思い出せないのは数字ばかりではない。どうして自分は今ここにいるのか。まずはその疑問をはっきりさせたかった。
 地下鉄のホームから転落した後、すぐにその事故は起きたらしい。ブレーキはかけられたものの、電車が停止したのは、ホームから二十メートルも先の場所。
 私は意識不明の状態で発見された。周りには血だまりができていたらしい。そこは、転落したところから、七、八メートル先の場所だったのだという。
「それって、普通死んでますよね?」
 事故の状況を聞いているうち、思わず変な笑いがこみ上げてきた。まるで作り話としか思えない。車やバイクならともかく、私が撥ねられたのは地下鉄の電車なのだ。
「本当に、奇跡のような話です」
 やさしく微笑んでから、医者は、「片瀬さん、いくつもの好条件に恵まれたようなんです」と続けた。
 その条件とは、次のようなものだった。
 ホームから転落した際、倒れずにうまく着地していたこと。ブレーキがかけられたおかげで、衝突時の速度が落ちていたこと。線路の中央からは、やや外れた場所にいたこと。撥ね飛ばされた先が、ちょうどホーム下の空間だったこと。
 話を聞けば聞くほど、確かに自分でも奇跡的なことだと思った。
「頭を打った影響で、一時的な記憶の混乱はあると思います」
 医者の言葉通り、数字の記憶はやがて蘇った。その後、いくつかの簡単な反射テストも行われたが、幸い中枢神経の異常は見られなかった。まさに奇跡としか言いようがない。鎖骨と肋骨は折れていた。肋骨が刺さったことで、肺にも傷がついた。頭部には裂傷を追い、小さな脳出血も確認された。しかし、私はこうして生きている。私は、まだこうして生かされているのだった。

 夜、一人っきりの病室。長かった一日が終わろうとしている。もしかすると、命を落としていたかもしれない今日という一日。私の人生最後の日は、自分の意志とは関係ない理由で、こうして延期されることとなったのである。
 もしも、今日死んでいたとしたら……。
 同じ問いが何度も繰り返され、眠りにつこうとする私を揺り動かす。肉体は休息を望んでいた。だが、思考は決してそれを許さない。たった今、ここで答えを出せ。そう命じているようだった。
 もしも、今日死んでいたとしたら……。
 後悔するだろうことが、たった一つだけ頭に浮かんでいた。好きで始めた小説の執筆を、途中で放り投げてしまっていたことである。
 片瀬さんには、まだ生きてやるべきことがある。きっと、神様がそう思ったのかもね。
 印象に残る医者の言葉だった。神様のことなど、今まで考えたこともなかった私だが、確かに、まだ生きてやるべきことなら一つ残っていた。魂がそう叫んでいるのだから間違いない。
 退院したらすぐに書き始めよう。どんな物語がいいだろう。不幸な出来事の中から、大切な何かを見つけ出す、そんな話を書いてみたい。砂漠の果てにあるオアシス。広い海に浮かぶ小島。雪山の中の丸太小屋。暗闇の先の小さな光……。
 休息を求める肉体を無視するかのように、思考はますます活発になる一方だった。こんな高揚感は初めてかもしれない。小説の構想はすでに始まっているのだ。もうそれを止める術はない。
 人生、それほどうまくはいかない。しかし、挑戦する価値なら大いにある。
 小説のテーマはこれでいこう。私同様、物語の主人公も最後には気づくだろう。そのことの大切さに。
 この日、私は命を落としかけた。この日、私の中で革命が起った。そして、物語は生まれた。

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次回作の準備のため、しばらく更新の方はお休みいたします。
新たな物語で、またお会いしましょう。

不倫のライセンス 目次

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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

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Re: お久しぶりです

鍵コメGさん、コメントありがとうございます。

> 勝手なお願いをしたままで行方不明となり、ごめんなさい。

心配してました。ホントにホントに心配してましたよ。
無事でいるのかどうか、確認する手段もなく、途中から腹が立ってきました。
この数カ月、どれだけブログを確認したことか。
心配かけるにもほどがありますよ、ホントに。
でも、よかった。生きてるんですね。よかったよかった。

> ひとりで寂しく呑む毎日ですが、呼ぶといつでもセシルが来てくれます。
> 私の特製の糠漬けをバリボリ食べる姿が板に付いて来ました。

いいなあ、その飲み会。私も参加させてもらいたい。ついでにレインも。
私には糠漬けを。レインにはマタタビ酒をお願いします。

> 虹子さん、どこまで行っちゃうんだろうと、そして最終話で、一瞬、レインちゃんが天使になっちゃったのかと心配しました。

はい。そういう解釈も間違いではないんです。
とにかくレインは、虹子を見守ることしかできない存在でした。
だからこそ、虹子も少しだけ前に進むことができたんです。

> 素敵な世界を有難うです。
> そして、次への期待は、デッカイですよ!
> みことさん、プレッシャーって感じますか?

うーん。これは幸福なプレッシャーってやつですね。
期待に応えられるかわかりませんが、新しいことに挑戦する気持ちだけは、忘れないようにしたいと思っています。

> この数日、みことワールドにのめり込んで、感情がピョンピョン飛び跳ねています。

今回のコメントを、何度も読み返しながら、私も思いっきりピョンピョンしてますよ。
本当によかった。コメントありがとう。

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Re: No title

鍵コメGさん、コメントありがとうございます。

> どうしても目に浮かばない物が有ります。
> 松葉杖の少女。
> どうしても、柔らかい光の中に、真珠色の襟の詰まったワンピースを着た少女が浮かんでしまいます。

へえ。どうしてだろう。
これ、天使っぽい感じがして、幻想的な想像ですね。
実際は、暗いイメージの絵で、少女は、自分の背中に翼があることを、まだ気づけずにいるんです。
娘につらい思いをさせてしまっている、というセシルパパの思いがこめられた作品なんですよ。
最後に、大きな翼を描き足したパパの思いも、今度想像してみてください。

> セシルは、どこから見ても、近寄りがたい美人の外人さんだけれど、すましているとツンとした感じだけれど、
> 笑うと、噛み付きたくなるような可愛い人です。

これは、私がイメージするセシルと近いです。
有名人で言うとこの人、というのがなかなかいないんですよね。
頭の中でははっきりとイメージできるんですが。
強いて言うなら、ルックスは、滝川クリステルさんに近いでしょうか。
いや、やっぱりちょっと違うなあ(笑)

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片瀬さんには、まだ生きてやるべきことがある

そんなことがきっかけだったなんて、当時は知らずに拝読させていただいておりました。
しかし、その「やるべきことがある」っていうのは、そうかもな、と思います。
人は、きっとすべきこと、つまり自分で決めたことをやり遂げるまでは死なないんだろうな、と。志半ばで逝く人も確かに大勢いるけど、でも、それは「次への課題を残すこと」を初めから予定していたんだろうかね、と。

前回のコメのお返事に、何故、朱鷺はそんな読み方(最後から読んだり、あとがきや解説から入ったり…)するんでしょうね? とみことさんに問われて、さて、なんでであろう? と朱鷺も考えておりました。
そして、ふと閃きました。
朱鷺は、物語を味わうに当たって、何が一番大切か、というと。
「読後感」だからであろう。
結末が悲劇であろうと喜劇であろうと、予定調和であろうと驚愕であろうと。
そこに何らかの納得出来る何かが存在していて、さわやかだったりあったっかくなったり、安心出来る心地よい読後感が残るかどうか。それにすべてが掛かっているんです。
今までにイヤな余韻が残ったものは、「カッコーの巣の上で」だったかな? そんな感じの題名の映画。それから、アメリカ映画だったと思うのですが、戦う相手が政府の秘密組織? のような巨大なもので、それを暴くところまでいきそうだったのに、最後、助けが来たとほっとした瞬間に、銃殺されて終わった…的な、この映画のテーマは一体何? と愕然としたもの。
おかげでそれらを観た後、イライラして眠れなかったという酷い思い出が、朱鷺に、ラストを確認させる、という作家さん泣かせの行為に走らせているんであろう。
カッコーの…の方は、本で読むと、ああ、そういうことか、と分かるものでした。あれは、映画が悪いっす。主人公が誰なのか、さっぱり分からなかったからこそ、余計にイライラしたんです。

ああ、なんか、関係ない話になってしまいました。
だけど、九死に一生を得る、という体験。朱鷺も本当に話でしか聞きませんが(東日本大震災の被災者さんとか)、一様に思うのは。
「生きていてくれて良かった」そして、「ありがとう」ということです。
みことさんが生きて、この作品を書いてくれて、良かったです(^^)

Re: 血圧ピョンピョン

鍵コメGさん、コメントありがとうございます。

> もうね!
> 嬉しくって嬉しくって、血圧が噴火しましたよ!!!
> みことワールドに入り込んじゃって、何回かセシルって叫んじゃって、ダンナが、『 何をするって? 』
> レインって言うと、『 何が出来んって? 』

Gさん宛てに送った幻の作品。気に入ってもらえたようですね。よかったよかった。
ダンナさんとのやり取り、想像して大笑いしてしまいました。

作家スティーヴン・キングの言葉に、次のようなものがあります。

文章とは何か。もちろんテレパシーである。

うん。確かにそうかもしれない。
Gさんとのコメントのやり取りで再認識しました。
行間を読み解く力が、きっとそれを可能にするんでしょう。

> みことさんってば、観察力と応用が優秀すぎます。
> 本当はテレパシストなんじゃないですか?

いえいえ。作品を奥深いところまで受信できるGさんこそが、テレパシストなんですよ。
それにしても、レインとセシルの夢の競演、書いていて楽しかったです。
普段と違って、こういう時って、不思議とスラスラ書けるもんなんですよね。
きっかけをくれてありがとうございました。

> みことさん、私のガサガサした生活に、潤いと希望と愛と、そして、セシル。
> もっともっと、たくさんのものをくださって有難うございます。
> 一緒に呑みたいです。
> 3人+1ニャンで。

そのイメージ、今しっかりと受信しました。

Re: 片瀬さんには、まだ生きてやるべきことがある

朱鷺さん、コメントありがとうございます。

> そんなことがきっかけだったなんて、当時は知らずに拝読させていただいておりました。

そうだったんです。いまだに自分でも信じられないような話なんですが。

> 朱鷺は、物語を味わうに当たって、何が一番大切か、というと。
> 「読後感」だからであろう。
> 結末が悲劇であろうと喜劇であろうと、予定調和であろうと驚愕であろうと。
> そこに何らかの納得出来る何かが存在していて、さわやかだったりあったっかくなったり、安心出来る心地よい読後感が残るかどうか。それにすべてが掛かっているんです。

確かに、ラストで台無し、という作品はありますね。
でも、順番に読み進んでこその“読後感”だとも思うんですが……。
うーん。朱鷺さん、あなたはやっぱり不思議な感性の持ち主です。つまり、表現者にふさわしい性格ということですね。
だけどやっぱり作家鳴かせ(笑)

> みことさんが生きて、この作品を書いてくれて、良かったです(^^)

ありがとうございます。
もしも、あの事故がなければ生まれなかった作品でした。それどころか、執筆活動を再開することもなかったんだろうなと思います。

退院後、事故についてテレビの取材を受けました。
そして、その放送予定日、東日本大震災が起きました。
もちろん、テレビでは予定を変更して、震災関連の番組が流れることとなったわけです。
“生きる”ということについて、本当にいろいろと考えさせられた一年でした。
言葉では言い尽くせない何かを、この作品から感じ取ってもらえれば幸いです。

すごい体験をなさっていたのですね

本当に、世の中には驚くような奇跡の中、ぎりぎりのところを潜り抜けてきた人がいるのですね。身近にも数人いますが、みことさんもそのお一人だったとは。
そのような体験を経て、命を見つめなおして、そしてそこで感じたことを伝えていく使命と考えられたいうことは、とても尊いことだと感じます。
私は自分自身がそこまでの体験をしたわけではありませんが、比較的ギリギリの場面に出くわしやすい現場におります。
でも、思い返してみたら、結構自分自身もそれなりに危険と隣り合わせで生きてきたかも。気が付いていないだけなのかもしれません。
私も、いつも物語のテーマは再生、と思っています。
だから、この記事を拝読して、頷くところが多くありました。
ぜひ、その希少な体験を生かして、これからも素敵な物語を紡いでいってください。期待しています(*^_^*)

Re: すごい体験をなさっていたのですね

大海さん、コメントありがとうございます。

> 本当に、世の中には驚くような奇跡の中、ぎりぎりのところを潜り抜けてきた人がいるのですね。身近にも数人いますが、みことさんもそのお一人だったとは。

入院中、警察の方が来て、いろいろと質問されました。
最近落ちこむようなことはなかったか。借金の有無。何か大きな悩みを抱えているのではないか。などなど。
要は、自殺かどうかの確認らしいんですよね。ちょっと笑っちゃいました。

> そのような体験を経て、命を見つめなおして、そしてそこで感じたことを伝えていく使命と考えられたいうことは、とても尊いことだと感じます。

いえいえ。そんな大きな使命感があるわけではないんですよ。
ただ、本当にやりたかったことに気づかされた、というだけのことなんです。

> 私は自分自身がそこまでの体験をしたわけではありませんが、比較的ギリギリの場面に出くわしやすい現場におります。

あ、そうなんですか。
だとすると、いろいろと貴重な体験を聞く機会もありそうですね。
私の場合、本文中でも触れましたが、数字だけが思い出せないという、記憶のメカニズムの不思議さを知りました。その他にも、いろいろと謎めいたことがあり、小説のアイデアにはしばらく困ることはなさそうです(笑)

> でも、思い返してみたら、結構自分自身もそれなりに危険と隣り合わせで生きてきたかも。気が付いていないだけなのかもしれません。

気が付いていないだけ。うん。きっとそうなんですよね。
危険もそう。そして、幸福も。
失恋に終わった物語の主人公セシル。だけど、彼女は最後に気づくことができました。自分が手にしていた様々な幸福に。

> ぜひ、その希少な体験を生かして、これからも素敵な物語を紡いでいってください。期待しています(*^_^*)

ありがとうございます。
大海さんの作品も、楽しく読ませてもらっています。
これからもどうぞよろしく。

No title

遅い時間にすみません。

しばらくブログを見る余裕がなくて、
久しぶりにみことさんのブログを見せていただいてのですが、
あとがきから読んでしまって、最初は小説の続きかと思ってました。

すごい経験をなさった後の作品を私は最初に読ませてもらったのですね。
道理で引き込まれたわけだと納得してしまいました。

不倫のライセンスは最初からすごく引き込まれて
気になって仕方のない物語でした。
あとがきを読んでから最終話を読んだのですが、
すごく心に残る最後でした。

ごめんなさい。
文章力がないというか、上手く言葉にできないのですが、
「挑戦する価値がある」
人生はいくらでも挑戦することができるんですよね。

幸い私は今、とっても幸せな環境に置かせてもらっていて
辛いことが全くないわけではないのですが、
わりとのほほんと暮しています。
今後、辛いことややりきれないことが起こっても、
このお話とこの言葉を思い出して頑張ろうと思いました。

本当に素敵なお話を読ませていただいて
ありがとうございました。

もちろん次の作品も楽しみにしてます!!

Re: No title

くう。さん、コメントありがとうございます。

> 久しぶりにみことさんのブログを見せていただいてのですが、
> あとがきから読んでしまって、最初は小説の続きかと思ってました。

アハハハ。これ、ブログ小説の悲しい宿命ですね。

> 不倫のライセンスは最初からすごく引き込まれて
> 気になって仕方のない物語でした。

途中で退屈するような部分はなかったでしょうか。
長編小説を続けて読んでもらうというのは、本当に難しいことなんですよね。
お忙しい中、最後までお付き合いくださったことだけでも、作者としては大感激です。

> 「挑戦する価値がある」
> 人生はいくらでも挑戦することができるんですよね。
>
> 幸い私は今、とっても幸せな環境に置かせてもらっていて
> 辛いことが全くないわけではないのですが、
> わりとのほほんと暮しています。
> 今後、辛いことややりきれないことが起こっても、
> このお話とこの言葉を思い出して頑張ろうと思いました。

暖かいコメントをありがとうございました。
こういった感想は、執筆活動の大きな原動力となります。
ああ、やっぱり挑戦する価値はありましたね。
ブログを、小説の発表の場として、本当によかった。

No title

片瀬さん、数年前にこんな大変な体験をされたのですね。
まだこの物語をちゃんと読んでいなかったので、あとがきも読まずにいたのですが。
今頃ですみません。
私は結構ボーっとしているので、今日あそこで死んでいたかも…と思うことは、想像では何度もありますが、実際に事故にあい、そこから生還という体験は、なかなかないですもん。
きっと命について、本当に真剣に考える機会になったのでしょうね。
自分がやり残したこと、残った時間でやるべきことが、克明に浮かび上がったのでしょう。

命って、本当に儚いものだと、ここ数年で思い知りました。
震災もそうですが、とても親しい間柄の中学生が亡くなったのもちょうどそのころ。
昨日まで元気いっぱいで病気知らずだったのに、次の朝、目覚めなかったんです。
本当に、あの時は何を恨めばいいのか分からず呆然としました。
こんなにも命って儚くて脆い。

のんびりしてる時間って無いのかも。
一人一人、一秒一秒無駄にせず、真剣に悩み、めいっぱいやりたい事をやれたらいいなあって、真剣に思いますね。
それが使命なのかも。
片瀬さんは書くことだったのですね、その時。きっとこれからも。
私は何だろう。やっぱり今は、家族を守ることと、書くことかな。

とりとめのない的外れなコメになっちゃったけど、とにかく片瀬さんが無事で本当によかったです。
そして、ゆっくりですが、この作品も読ませていただきますね。
まだ発表されていない作品も、いつか読んでみたいです。

Re: No title

limeさん、コメントありがとうございます。

> 片瀬さん、数年前にこんな大変な体験をされたのですね。

そうなんですよ。
でも、原因は私の不注意なんですけどね。そこがちょっとカッコ悪いんです。しかも、大勢の方に迷惑をかけてしまいました。

> まだこの物語をちゃんと読んでいなかったので、あとがきも読まずにいたのですが。
> 今頃ですみません。

いえいえ。
あとがきのイメージからすると、重い雰囲気の話に思われるかもしれませんね。
フフフ。読んでびっくりのコミカルな話です。

> きっと命について、本当に真剣に考える機会になったのでしょうね。
> 自分がやり残したこと、残った時間でやるべきことが、克明に浮かび上がったのでしょう。

はい。この経験は本当に大きかったです。
入院中、ベッドの中でじっとしてるのがもどかしくてもどかしくて大変でした。
それにしても、あの先生の言葉は忘れられないなあ。
「片瀬さんにはまだ生きてやるべきことがある。きっと神様がそう思ったのかもね」
このセリフ、カッコ良すぎませんか?

> 命って、本当に儚いものだと、ここ数年で思い知りました。
> 震災もそうですが、とても親しい間柄の中学生が亡くなったのもちょうどそのころ。
> 昨日まで元気いっぱいで病気知らずだったのに、次の朝、目覚めなかったんです。
> 本当に、あの時は何を恨めばいいのか分からず呆然としました。

limeさんの身近でも、そういうことがあったんですね。
心の準備ができていない分、ただただ途方にくれてしまったんじゃないでしょうか。
私の事故から二か月後に起きた震災は、本当に他人事とは思えない出来事でした。
その後の自殺者の数の多さには、さらにショックを受けました。
どうして、“生きてやるべきこと”に気づくことができなかったんだろうと、悲しいやら悔しいやら、今も複雑な心境でいます。

> 私は何だろう。やっぱり今は、家族を守ることと、書くことかな。

自分が生み出したキャラクター、その心の声を聞くことは、きっと自分自身とも向かい合うことなんだろうと、最近思うことがあります。
limeさんには、ぜひこれからも書き続けてほしいです。
だけど、1分1秒と焦ることでもないような気もするんですよね。
春樹の両肩を揺すって、無理に何かを白状させようとしたって、きっと彼は心を閉じてしまうに違いない(笑)

> とりとめのない的外れなコメになっちゃったけど、とにかく片瀬さんが無事で本当によかったです。

ありがとうございます。
私こそ、とりとめないこと書いてしまったような。
意味不明になってませんかね。
でも、limeさんとこういう話ができてよかった。
震災について何か語ろうとすると、どうも偽善っぽい文章になりそうで、なかなか表現できずにいたんですよね。せっかく書いたエッセイもボツにしたぐらいです。
私には、やはり物語を通して何かを表現するのが合っているようです。
暖かいコメントありがとうございました。

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Re: そうだったんだ!

鍵コメGさん、コメントありがとうございます。

> 勝手ながら、みことさんに、『 絆 』 を感じています。
> 距離とか、性別とか、年代とか、境遇とか、そんなものを飛び越えて、身近に感じます。

わあ、うれしいなあ。
性別といえば……。
私はいったい男でしょうか、女でしょうか。去年は、そんな謎も含めてやってたんですよね。なつかしいなあ。
Gさんの私に対するイメージは、ワンピースの似合う女性、というものでしたね。
あの頃、そのコメントを読みながら、一人でニヤニヤしてましたよ。

> みことさんは男性だけれども、節操とか、倫理とか、そういう事は別の次元として、
> 素晴らしい作品を戴いた感謝。
> 私の生活に、楽しみを、喜びを、そして、切なさを、真実の愛をくださった感謝。
> 何気無いことや、もっと深く考えなくてはいけなかった事、たくさんの事に気付かせてくださった感謝。
> 想像の世界を広げてくださった感謝。
> いっぱいの感謝を込めて、抱きしめたいです!

い、いくらなんでも、ほめすぎです。
でも、うれしいです。
うーん。近くにいないのが残念!
また、イメージの世界で一杯やりますかね。

No title

みことさんに
セシルに
虹子さんに
レインちゃんに
そして、たくさんの愛すべき人々に

うちのにゃんこ達に
ついでに、アホダンナに
そして、僭越ながら私に

かんぱ~~~~~い!!
きゃっほ~~~!! ヽ(^。^)ノ

Re: No title

鍵コメGさん、コメントありがとうございます。
あ、鍵、かけ忘れてる!

> みことさんに
> セシルに
> 虹子さんに
> レインちゃんに
> そして、たくさんの愛すべき人々に

もしかして、酔ってませんか?

> うちのにゃんこ達に
> ついでに、アホダンナに
> そして、僭越ながら私に

絶対酔ってますよね。

> かんぱ~~~~~い!!
> きゃっほ~~~!! ヽ(^。^)ノ

くれぐれも、家の鍵はかけ忘れないように!

No title

オープン鍵コメですよ~。
酔っ払っていませんでしたよ。
普段から、酔っ払ってるでしょって言われるくらいおバカな私です。

早く次回作を!
何か、キーワードでもください。
妄想しますから!

Re: No title

Gさん、コメントありがとうございます。

> オープン鍵コメですよ~。

間違ったわけじゃなかったんですね。よかったよかった。

> 早く次回作を!
> 何か、キーワードでもください。

次回作、実は、今すごく迷ってるんです。
アイデアの断片としては、たくさんあるんですけどね。
長編の連載小説の候補としては、次のような感じです。

人間の心の闇を描く陰惨な物語。
子連れ再婚を目指す父と息子のほのぼの物語。
死刑囚の母を持つ悲しい娘の物語。
記憶を巡るちょっと不思議な物語。

イメージをがらりと変えて、悲劇的な話にしたいという気持ちもあるし。
やはり、楽しい話の方が、連載には合っているような気もするし。
うーん。どうしようかなあ。

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Re: No title

鍵コメGさん、コメントありがとうございます。

> 人間の心の闇を描く陰惨な物語。
> 読みたいですねぇ!

お、そうですか?
Gさんは、そういうの苦手かなと思ってましたが。
それから、Gさんの過去の経験、
私とずいぶん共通する点があって驚きました。

> 子連れ再婚を目指す父と息子のほのぼの物語。
> 面白いですねぇ!

こちらの企画に決めました。
6月からの連載を予定しています。
余裕があれば、他の物語も並行して更新できるかもです。

> 死刑囚の母を持つ悲しい娘の物語。
> 切なそうですね!

こちらの方は、一番後回しになりそうです。
まだまだ表現力不足、というのが理由です。
これ、すごく大切にしてる話なんですよ。

> 記憶を巡るちょっと不思議な物語。
> 想像が付かない分、読みたいですねぇ。

私が事故にあった後、ちょっとした記憶障害を経験しました。
その経験をヒントに、思いついた話なんです。
ああ、これも早く書きたいなあ。

> どれもこれも読みたいですね。
> 次回を待つ一週間が長いです。
> 虹子さんとレインちゃんの物語は、完結するまで待って、一気に読もうと思いましたが、無理でした。
> もう、4作品、同時進行!

すっかりお待たせしてしまって、申しわけないです。
連載スタートまでに、いくつかショートストーリーを発表する予定です。
いい加減新しい記事出さないと、余計な広告出ちゃうんでしたよね。
もうそろそろなのかな? 危ない危ない。

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No title

このあとがきを拝見させていただくのは2度目なんですけど、やはり衝撃です。

終わっていたかもしれない時間を復活させて、物語を動かすことは本当に感動的です。

これからも素敵なお話と出会えるのを楽しみにしています^^

Re: No title

けいさん、コメントありがとうございます。

> このあとがきを拝見させていただくのは2度目なんですけど、やはり衝撃です。

はい。自分で書いていても、嘘みたいな気がしてます(笑)
震災の年でしたから、もう3年前のことなんですよね。
実を言うと、ポケットに入れていたICレコーダーが、なぜか録音状態になっていて、
事故の一部始終が、すべて録音されていたんです。
後からこのことに気づき、本当にびっくりしました。
いったいなんなんでしょう、この偶然は。

> これからも素敵なお話と出会えるのを楽しみにしています^^

ありがとうございます。
もらった命、無駄にはしませんよ!

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Re: No title

鍵コメGさん、コメントありがとうございます。

> セシルの物語、ファンファーレと共に完結しましたが、我が儘な読者は、その後が気になります。
> 単発でいいから、続いて欲しいと思うんです。

ああ、こう思ってもらえて、私もセシルも幸せ者です。
いろいろと構想はあるんですよ。
智美、瞳子が登場する、高校生セシルの物語。
息子、翼が子役として芸能界デビューする、母親セシルの物語。
いつかきっと発表できる日が来ると思います。

> セシルに、子供が授からない嫌味を笑顔で仄めかした元姑さんは、どうしているのかな?
> 面白い絵の記念のマグカップは、どうしたんだろう?
> 人の気持ちが分からない女友達たちは?
> 人込みで泣いてた赤ちゃんは、成長しただろうな。
>
> 何気無い事が、たくさん気になります。

細かいところまで読んでくれてるんですね。うれしいです。
特に、赤ちゃん連れの幼いお母さん。
あのキャラクターは、本当はラストシーンに登場させようかとも思っていたんですよ。
明るく強くなった彼女を見て、セシルの中に勇気が芽生える。
そんなラストシーンの案もありました。

> セシルのパパは、子守が出来たんだろうか?
> ママは、孫に逢いに来たんだろうか?
> 卑怯なあいつは、セシルの事をキッパリと諦めたのかしら?
> ま、復縁を迫ってもセシルがキッパリと撥ね付けるでしょうが。

ふふふ。何だか、私と同じような想像も含まれてるなあ。

> そして、1番気になっていたのがセシルの再婚。
> セシルは強くなりました。
> でも、ちょこっと寄りかかる男性が居た方が心に余裕が出来るのではないかしら。

そうですね。
きっと新たな男性キャラクターも登場することでしょう。
何といっても、セシルは魅力的な女性ですから。

> それに、一人っ子より、きょうだいが居た方がいいし。

これを読んで思い出したんですけど、友人夫妻の子供が同じころに生まれてるんですよね。
うーん。あの両親に育てられるとどうなるんだろう。
かなりエキセントリックな子供キャラが誕生しそう。

> 読者同志なら、勝手に何でも話し合えますが、物語を作り出した方には無責任な事は言えません。
> せっかく、みことさんが希望に満ちた未来へとセシルを送り出したのに。
> 勝手な未来を想像しちゃいけないなって。

いえいえ。こういう感想を聞くのは本当に楽しいです。
そして、今後の作品作りにとって、いろいろとヒントにもなります。
ありがとうございます。
Gさんのような読者様がいる限り、セシルはキラキラと輝き続けられると思います。
彼女がまた姿を見せた時には、暖かく見守ってやってくださいね。

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片瀬みこと

Author:片瀬みこと
札幌在住のアマチュア作家

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